江戸時代に誕生した大衆芸能「落語」。現代まで脈々と継承されてきた伝統的な話芸は、聴く人を独特な世界に引き込みます。これまで年配の人たちが愉しむ“シブめの芸能”というイメージが定着していた落語ですが、最近は落語をテーマにした漫画やドラマが続々とリリースされたり、“落語からビジネススキルを学ぶ”と銘打った書籍が刊行されたりしたことで、若者の間でも落語ブームが広まっています。 以前より親しみやすくなってきた落語ですが、まだまだベールに包まれている伝統文化の世界。落語家として生きていく苦労は、なかなか窺いしることができません。そこで、若手落語家の快楽亭ブラ坊さんに、落語の道を歩むことになったきっかけや、落語家のしきたり、収入事情について教えてもらいました。大学まで地元の愛媛県で暮らしていたのですが、就職を機に東京に出てきました。初めて落語を聴いたのは、就職してしばらく経った頃。母が上京してきたときに、観光案内をしていたのですが、母が歩き疲れてしまって……。どこかで休もうかと思っていたときに、たまたま目の前に寄席(※)があって中に入りました。人生初の落語だったのですが、純粋に「面白い!」って思いましたね。もともと「お笑い」は好きだったのですが、落語のCDを図書館で借りたり、ネットで調べたりして、いろんな人の落語を聴き始めるようになりました。 (※)落語以外にも講談や浪曲、漫才などの演芸を観客に見せるために造られた常設の興行小屋のこと。東京では、新宿末廣亭・鈴本演芸場・浅草演芸ホールなどが有名。やっぱり登場するキャラクターと世界観ですね。落語には、しばしば「与太郎」ってうキャラクターが登場するのですが、すごく馬鹿でいつもドジをして、みんなに迷惑をかけているんです。でも、皆から愛されているんですよね。これがもし会社とか現実の世界だったら、そういう人って邪魔者扱いされて、怒られてばかり。でも、落語の世界では与太郎みたいなダメな人にこそスポットが当てられて、活躍している。「カッコいいな」「いい世界だなぁ」って思ったんです。落語家の最上位である「真打(しんうち)」になると弟子を取れるのですが、まずは真打に弟子入りさせてもらえないかお願いしに行きます。入門を許可されたら、最初は雑用などを任される「見習い」からスタートします。次に、寄席での呼び込み太鼓を鳴らしたり、セッティングしたりする「前座(ぜんざ)」を、通常3年から5年務めます。 それくらい経つと師匠から、ようやく一人前として落語会などに出演できるようになる「二つ目」として認められます。さらに、二つ目を10年ほど経験すると、寄席でトリを務めることが許され、また弟子を取ることができる「真打(しんうち)」に昇進します。私は今「二つ目」ですが、ちょうど6年掛かってしまって、ようやく今年の4月1日に昇進しました。「見習い」だと給料はいただけないですね。そのため、師匠の家に住み込みをして手伝いをしながら食べさせてもらうことになります。 階級が上がって「前座」になると、寄席に入るようになります。基本は1年365日毎日休みなし。師匠方の着物を畳んで、太鼓を叩いて、高座をセッティングするという、いわゆる落語の舞台を整える手伝いをして、大体1日数千円くらいになります。毎日寄席に出ていると、1カ月でなんとか家賃が払えるくらいはもらえるらしいです。 私の師匠の場合、今は協会や団体に所属していなので、寄席がありませんでした。そのため、入門して1年くらいは、バイトを許可されていたので、居酒屋でバイトしていました。落語での収入はお小遣い程度で月に3,000円くらいのときもありましたね。 「二つ目」になるとようやく自分で仕事を取ることを許可されますので、自分の頑張り次第で収入を上げていくことができます。同じく「真打」になって、名前が売れるようになれば、落語イベントなどのギャラも上げてもらえます。そうですね。ただ、落語家を志す人はお金のことに割と無頓着かもしれません。収入よりも師匠が落語家としてこれまでどうやって生きてきたのかを、背中を見て学んでいくことが大事なんじゃないかなと思いますね。先輩から聞いたのですが、寄席はお客さま1人につきいくらって言うのが相場らしいです。大きな収入にはつながらないので、落語家にとっては顔を売る場所なのかなぁと。 あとは、自分で落語会などを主催することもあります。たとえば、「らくごカフェ」「新宿ミュージックテイト」「新宿道楽亭」などのスペースは、お金を出して会場を借りることができます。お金さえ払えば、あとは自由に使っていいよ、という感じです。なので、入場料2,000円で設定した場合は、お客さまを20人呼べば売り上げは4万円。そこから会場費を引いた差額が収入になります。黒紋付や手ぬぐいを作る経費が発生します。落語家の世界では、先輩からご祝儀をもらうと手ぬぐいを返すという文化があります。「二つ目」に昇進したときに、大体3,000円から5,000円のご祝儀をいただくのですが、必ず御礼に手ぬぐいを渡すので、200枚くらいは作りますね。デザインから染めまでしっかりとしたものを作るので、1枚500円くらいでしょうか。 年始の挨拶でも渡すので毎年作らないといけません。あとは、お世話になった師匠にはお歳暮やお中元を贈ります。さらに、二つ目以上になると見習いや前座の後輩にお年玉やご祝儀を渡さないといけないので、割と出費はかさみます。かなり増減があるのですが、多い月ですと落語関係で20万円くらいです。でも、遠方だったら交通費も掛かるので、実質20万円がそのまま収入にはならないですね。何もない月は本当に無収入です。私の場合は、知り合い伝手に結婚式やお祭りなどの司会を依頼されることが多いです。むしろ、そちらの方が落語より多い月もありますね。決めてないですね。家で寝ているよりマシだったらやりますって感じです(笑)。今はとにかく人前に出たいので、ギャラは一旦脇に置いています。とはいえ、あまりに安すぎると交渉しますけどね。大体1万円くらいがボリュームゾーン。ちなみに、これまで一番高かったのは5万円ですね。 なかには、「前座のときは1万円だったけど、二つ目になったからギャラを上げてほしい」と交渉する人もいるようです。ギャラに関しては落語家によって考え方もそれぞれですね。単純に「落語がうまい、面白い」。これに尽きますね。テレビに出ていなくても、「あいつは面白い」と評判になると独演会で150人くらいの会場が満席になるという人もいます。おそらく落語家の仕事のうち8割を、2割の売れている落語家が取っているんだと思います。 お祭りや落語カフェ、独演会など、関東では土日だけも50くらいの落語会が開催されているといわれていますが、最近落語家の人数も増えているのでお客さんを取り合っているような状況ですね。あと、売れている人は下っ端にも本当に優しい。人徳があるんだなって思います。名刺にも書いているんですが、「できることなら何でもやる」、これをモットーに精進していきたいと思います。 うちの師匠も映画評論や風俗ライターなど、落語以外の仕事をしているので、別の路線に行く人がいても良いんじゃないかなと個人的には思っています。ただ、落語以外のお仕事でも声を掛けていただけるようになるには、やはり落語が上手になることは必須ですし、人前にたくさん出る機会を作って爆笑を取りに行かなくてはいけません。あと、いまは古典落語が多いですが新作落語もやりたいですね。1986年1月31日生まれ。愛媛県松山市出身、品川区在住。ブラ坊という名前は、夏目漱石の小説「坊ちゃん」が由来。2010年5月に2代目快楽亭ブラックに入門。2016年4月 二つ目昇進。東京では自身の落語会、商店街などのイベントにも出演。ケーブルテレビ品川「商店街大好き」レギュラー。9月19日、新宿道楽亭で新企画「どこまでもどこまでも」を開催。編集者・ライター。1985年、千葉県生まれ。日本大学芸術学部卒。コラムやインタビュー記事の執筆を中心に活動。ジャンルは、社会問題から恋愛、住宅からガイドブックまで多岐にわたる。 一席と独演会では違う! 「まいどバカバカしい…」なんて古いですが、私は「落語大好き人間」です!桂南光の「らくだ」などなど、どちらかと言えば「上方落語(関西の落語)」の方が好きですね。江戸の人情話も面白いですが、どうしても笑える上方落語を多く聞いてしまいます。さて、落語家というお仕事は江戸時代から続く伝統芸能ですが、お給料の仕組みをご存知でしょうか?知られざる落語家さんの「お財布事情」をのぞいてみましょう!師匠に入門してすぐに高座に立つことはありません。どの世界でも同じですが、まずは「見習い」から始めるんですね。見習い期間を終えたら、次は「前座」という身分が与えられます。ここで初めて、協会に自分の名前を登録することができ、晴れて「落語家」として名乗れるわけです。そして師匠に認めてもらえれば、次は「二つ目」になります。見習いとして入門して、二つ目になるまでには6~7年ほどかかるそうですな。さらに二つ目として10年ほど修行を重ねれば、そこで初めて「真打(しんうち)」という「身分としての最高位」に就くわけです。寄席に行って最後に登場する人を「トリ」と言いますが、さて、上記で紹介した身分のうち、見習いはもちろん、前座でもお給料はほとんど出ません。時折、師匠からお小遣いをもらう程度です。だって、見習いは師匠の身の回りの世話をするだけ、そして前座であっても、寄席の「下足番(お客さんのクツを管理する人)」や「切符切り」しか任せてもらえないのです。まだまだ人前で芸を見せるほどの身分ではないため、「ギャラ」なんて発生しません。なかなか厳しい世界なんですなぁ…。実際に寄席の高座に上がれるのは、「二つ目」に昇進して以降です。落語家たるもの、やはり芸を人前で見せて始めてお給料がもらえるというものです。そんな寄席では、たいていは「ワリ」というシステムが存在しています。これはたとえば、1回の寄席で200万円の売り上げが上がったとします。そこから経費を引いて、残りを出演した噺家さんで分けるのです。もちろん最後の方に出るほど取り分は大きくなり、「トリになったらギャラが倍になった…」ということも珍しくないのだそうです。ちなみに、高座デビューしたての頃は「ギャラ数百円」もあるんだとか…。まぁ、「僅かでもお金をもらいながら勉強している」と割り切る気持ちが大切なんでしょうね。でもワリの割合に関しては、明確にルールがあるわけではありません。何となく、「この人だったらこれだけ」のように「暗黙の了解」になっているんですよ。それに師匠の「鶴の一声」で、その日の取り分が変わることもあります。たとえば師匠が、「今日は若手に多く分けてやってくれ」と言うと、その日の寄席では若手の取り分が大きくなります。6代目円楽師匠なんかがそうですよ。師匠はテレビ出演も多くしていますし、全国を飛び回って独演会だってやっています。なので、収入面では全く困らない人なんですよ。したがって寄席を「勉強の場所」と割り切り、自分の取り分を低くしているのだそうです。その分、若手に大きな取り分を与えて、「その代わり、そのお金に見合った芸をしなさいよ♪」と「愛のあるプレッシャー」をかけているんですね(←かっこ良い!)。テレビで観るような有名な落語家さんならまだしも、キャリアを積んでいるものの、なかなか日の目を見ない噺家さんも多いのです。現在、プロとして活動されている落語家さんは「約700人」と言われていますが、テレビなどに出て収入が安定している人は一握りなのです。でもキャリアが長く、日々の勉強も欠かさないので腕のある方が多いんですよ。そのような方の場合は、良いシステムですね。頼む方からしても、「有名じゃないけど、腕のあるプロの落語を楽しめる。しかも出演料も高くない」となります。また依頼を受ける側としても、「ワリではなく一人占め」なので、1回高座に上がるよりもはるかに高いギャラを手にすることができます。ちなみに、私が住む近所の商店街のお祭りで、毎年落語家さんがやってきます。有名な人ではないのですが、それでもプロの落語は面白いですよ。ギャラも10万円ほどなので、ご近所との集まりの時に余興として依頼するのも良いですね。 日本テレビ系列で毎週日曜のの夕方(現在は17.30-18.00)に放送している「笑点」は1966年から放送(当時は16.30-17.10)が開始している長寿番組です。これだけの長い期間で人気の番組ですから落語家が活躍する演芸番組の人気はすごいですね!そんな落語家さんたちですが一体普段はどんな仕事をしてるのでしょう?
ファースト ピアス 締め方, インスタ グラマー 離婚, 冬のソナタ 最終回 動画, 織物 本 おすすめ, ドレミ ソラシド 歌割り, 熱中症 ニュース 最新, 大恋愛 5話 最後なんて言った, ビル ナイ ドラマ, FLY BOYS FLY 僕たち CAはじめました 原作, 富士 河口湖 町勝山 事件, ゴム サンダル 洗い方, Abema デバイス連携 何台, 大奥 よしながふみ 和宮, 岡田将生 彼女 ダンサー, Gantz 西くん 最後, 必須 不可欠 類語, アンナチュラル 最終回 無料視聴, 高 田川 部屋後援会, スカーレット 100話 動画, 日 向坂 46 日 向坂 フル, エリザベス 桂 出会い, 洋画 病気 恋愛, 軽部 アナ 最近, 新章 神様のカルテ あらすじ, 山口百恵 国立 引っ越し, 扇 久保 博正 Instagram, 銀魂 お通 嫌い, まんぷく 塩軍団 毎熊, 寄生獣 アニメ 5話, 忌野清志郎 コード デイドリーム, 洋画 病気 恋愛, あまちゃん 人気 キャラ, SPEC 卑弥呼 能力, 貴 源治 インスタ, まず最初に 次に 英語,